“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
「あれが浅野拓磨の弟?」という目。
それでも兄は僕にとってヒーロー。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byKaito Asano
posted2020/03/30 18:00
海外で所属先を模索中だという浅野快斗(右)。現在は、兄・拓磨がいるセルビアに滞在している。
兄に甘えるのはこれが最後。
もちろん、結果として「甘えている」と指摘されても仕方がない状況だ。だが、そこには誰も介入できない浅野家の絆と、もがき苦しみながら成長をしてきた快斗の想いがある。
「僕の中で拓磨に甘えるのはこれで最後にしたいと思っているんです。なんとしてもチャレンジをして、チャンスをつかみ取りたい。選手権の時のように自分が輝きたいんです。信頼できる家族が示してくれた道を歩んで行きたいし、拓磨や雄也からもっともっといろんな話を聞きたいし、話をしたい。もう恥ずかしさはありませんし、変なプライドもありません。こんなに話をできる、アドバイスをもらえる、そして信頼できて、絆がある人っていない。家族にそういう存在がいるということは、もう幸せ以外の何ものでもないと思うので、それを大切にして、いつか僕が輝けるように、今を全力で臨みたいです」
思わぬアクシデントでチャレンジは停滞をしてしまっているが、その分、拓磨と貴重な時間を過ごすことができている。未曾有の危機の先に輝ける未来を夢見て、浅野家の六男・浅野快斗は確かに見える光に向かって、絆と共に大きな成長を誓っている。