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ドラフト上位候補がプロに腕試し!
剛腕に韋駄天、注目の大学生5人。
text by
高木遊Yu Takagi
photograph byYu Takagi
posted2020/03/27 11:40
主将として早稲田大を牽引する早川隆久。22日巨人二軍戦では盗塁を試みるなど、積極的な姿勢を見せていた。
サニブラウンにも勝った五十幡の足。
ドラフト上位候補の野手で大きな存在感をプロ相手に見せたのは、7日にDeNA二軍と対戦した中央大の五十幡亮汰と牧秀悟だ。
五十幡は中学時代に陸上の全国大会でサニブラウン・ハキームを100メートル走と200メートル走で破り、優勝した逸話を持つ韋駄天である。
2番・中堅手として出場したこの日は、初回に昨年のイースタンリーグ最多勝の中川虎大が投じた内角高めのストレートを右中間に弾き返すと、俊足を飛ばして易々と三塁へ。その後、先制点のホームを踏んだ。四球で出塁した4回には2死一、三塁から初球で二塁へ盗塁し、これが悪送球を誘い得点に繋げ、この回5得点のビッグイニングに。6回にも初球に盗塁を決め、さらに凡退時の一塁到達タイムも3.55秒と持ち味を存分に発揮した。
試合後は「初球で盗塁を決めることができたのは自信になりました」と話し、スカウトからは「振る力もありますよね」と打力でも高い評価を得た。
侍4番の牧はシャープな打撃。
また昨年は侍ジャパン大学代表の4番も務めた二塁手の牧はタイムリーを含む3安打を記録。勝負強くシャープな打撃を見せて、スカウトからも「変化球も上手く対応する中距離打者。二塁もソツなく守れている」と変わらず高い評価を持続している。今年は主将も務めるだけに、心身ともにさらにたくましくなっていく姿が見られそうだ。
各選手たちがそれぞれ収穫も課題も見せた中で、今回取り上げた全選手に共通するのが、結果で一喜一憂しない落ち着いたコメントだった。冷静に自らを見つめて日々励んできたからこそドラフト上位候補に上り詰めたのだと、あらためて感じさせられた。
この1年間は、これまで以上の注目やプレッシャーを受けることになるが、その中でどんなパフォーマンスを見せていくのか。彼らの真価が問われる。