令和の野球探訪BACK NUMBER
ドラフト上位候補がプロに腕試し!
剛腕に韋駄天、注目の大学生5人。
posted2020/03/27 11:40
text by
高木遊Yu Takagi
photograph by
Yu Takagi
今年のドラフト戦線は、現在のところ大学生たちが主役となっている。
新型コロナウイルス感染拡大防止によるセンバツ甲子園の開催中止や休校で、高校球界で活動自粛・縮小が相次いでいることもあるが、その状況を差し引いても大学球界に有望株が多い。
特にこの3月はプロアマ交流戦が多く開催されたこともあり、ドラフト上位候補たちとNPB選手との手合わせを多くのスカウトが視察に訪れた。またそんな有力選手たちもそれぞれが収穫や課題を得た。
大学生にとっても本番となるリーグ戦開幕はこれから。現在はあくまで調整中の段階ということもあり、会心というほどの結果を残した者はいなかったが、それでもドラフト上位候補と呼ばれる片鱗を見せつけていた。
主将として牽引する早大・早川。
早稲田大の左腕・早川隆久は千葉・木更津総合高時代の甲子園に3度出場(3年時に春夏連続8強入り)。大学でも昨年からエースを務め、U-18代表に続いて侍ジャパン大学代表入りを果たすなど、実績や経験値は同世代のアマ選手の中で群を抜く。
そんな早川は22日の巨人二軍戦に先発登板し、5回9安打4失点というまずまずの内容だった。「ああ見えて(マウンド上では)短気なところもある」とスカウトが指摘するように、突如として連打や四球が出て失点した場面もあったが、それでも試合をしっかり作るという、良くも悪くも東京六大学野球で見せる姿とそう変わらない投球内容だった。
そしてこれも変わらず、試合後は「2アウトから連打を浴びる課題が出ました。リーグ戦までに引き締め直したいです」、「ツーシームをもっと動かしたいですし、チェンジアップの使い方をより明確にしていきたいです」と冷静沈着に自己分析し課題を挙げた。
今年はチームで主将も務めるだけに、打者としても全力疾走で内野安打を記録しただけでなく「大学に入って初めてでしたが、チームに勢いや流れを持ってこようと思いました」と盗塁も敢行。失敗には終わったが、チームを背中で引っ張っていく意志を強く感じた。