“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
田中亜土夢が再びフィンランドに。
サッカーと水墨画に魅せられる日々。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byAtomu Tanaka
posted2020/03/25 20:00
再びフィンランドに戻った田中亜土夢。水墨画と出会ったことでサッカーの捉え方も変わったと話した。
水墨画は「白と黒」しかない。
ここは終着地ではなく、再起の場。3年前に知った「白と黒のコントラスト」をもう一度積み重ねにきた。
「サッカーと水墨画。全体の中で自分の個性を浮き出させるためには、どれも再現性が大切。成功したプレーや濃淡の付け方をイメージで残して、それを似たような状況で引き出して再現する。サッカーは味方と相手しかいない世界で、水墨画は白と黒しかない世界だからこそ、感覚や感性を大事にこれからもやっていきたい。今はこの意識を植え付けてくれた原点回帰という意味で、僕はフィンランドに再び導かれる運命だったのかなと思っています」
フィンランドリーグも世界的大流行を見せている新型コロナウイルスの関係で開幕が 6月まで引き伸ばされた。それでも彼は帰国せず、第二の故郷であるフィンランドで生活をしている。
「フィンランドでも川地さんと個展をやろうと動いています。もともと日本で個展をやった時に、オフの時にでもフィンランドでやりたいなと思っていたので、こうしてサッカーをしに戻ってきたからこそ、実現させたいと思っています」
最後に田中亜土夢に聞いてみた。今、将来の自分にどんな絵を描いているのか、と。
「ステップアップして他の国でプレーしている自分と、その国でも個展を開いている自分です。それがプロサッカー選手である田中亜土夢らしさだと思っています」
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