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サートゥルナーリアに漂う主役感。
左回りも58キロのハンデも何のその。
posted2020/03/17 18:30
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
Satoshi Hiramatsu
3月15日、無観客の中京競馬場で行われた金鯱賞(GII)はサートゥルナーリア(牡4歳、栗東・角居勝彦厩舎)が快勝した。
同馬は2018年に2歳でデビュー。3連勝でホープフルS(GI)を優勝すると、昨年はそのレース以来、ぶっつけで皐月賞(GI)に出走。1番人気に応え、見事にここも制した。
2つのGIレースを含む4戦4勝で迎えた日本ダービー(GI)ではよもやの4着に敗れたが、秋には神戸新聞杯(GII)でまたも圧勝。勇躍挑んだ天皇賞(秋)(GI)では道中で力む素振りを見せ、初めて掲示板を外す6着に終わった。
アーモンドアイの前に敗れたものの、直後の有馬記念(GI)では2着に好走。年度代表馬を獲る事になるリスグラシューにこそ敗れたが、アーモンドアイを始めとした並み居る古馬勢に先着し、やはり能力の高いところは披露してみせた。
「最後も全く無理させていない」
今回の金鯱賞はそれ以来の競馬で、今シーズンの初戦となった。レースの4日前、11日には栗東トレセンの坂路で最終追い切りを敢行。半マイル49秒8という破格の時計をマークしたのだが、その際、手綱を取ったクリストフ・ルメール騎手は目を大きく見開いて次のように語った。
「あんなに速い時計で走っているとは思いませんでした。それくらい楽に走っていたし、実際、最後も全く無理させていません。びっくりしました」
間違いなく状態は良いと思わせての中京行きだった事が良く分かる。
実際、レース当日も落ち着いて良い雰囲気に見えた。ルメール騎手は言う。
「今後を占う意味でも休み明けはすごく大事だと思って臨んだけど、パドックからすごくリラックスしていて良い感じでした」