「厄介な選手でしたが、いまは頼りになる」

　38歳の指揮官も、少年時代から知る最年長プレーヤーには期待を寄せる。ボールを失わない技術、試合を落ち着かせるゲームメークなどの能力を高く買っているという。

「若手たちのいいお手本になっていますが、それだけの理由で獲得したわけではありません。一戦力として見ています。ベガルタのときは厄介な選手でしたが、いまは頼りになる選手。うまく組み込んで、試合で使っていきたいです」

　サガンブルーに身を包んだ背番号50番が、躍動する日を心待ちにしているのは、鳥栖の関係者だけではない。仙台の28番をつけた佐々木も、ピッチで顔を合わせることを楽しみにしていた。

「負けたくないです」

　プロ17年目は現役生活を懸けた勝負のシーズンとなる。どのような結末を迎えれば、「燃え尽きた」と言えるのだろうか――。

「それは俺も分からへん」

　サッカーができる幸せを噛み締めながら、きょうも愛しいボールを蹴り続けている。