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捲土重来を期す、レッズ関根貴大。
「ゴールかアシストで二桁を」
posted2020/02/20 11:30
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph by
J.LEAGUE
2019年11月24日、埼玉スタジアムでアンドレ・カリージョ(アルヒラル)にピッチへ叩きつけられた瞬間に全てが砕け散った。
切望して止まなかったアジアタイトルを逃し、自己の至らなさを思い知った関根貴大は、このチームで、また一から成長の歩みを進める覚悟を決めた。
昨年6月、当時在籍していたドイツ・ブンデスリーガ2部(現3部)のインゴルシュタットから浦和レッズへ約2年ぶりに帰還した関根には、ヨーロッパでの雌伏の時を経て、新たに在籍するチームを牽引する気概があった。
「ダイナミックなプレーを意識していました」
大槻毅監督体制下の浦和が停滞する中で、彼は復帰戦となったJリーグ第20節ジュビロ磐田戦にフル出場して勝利に貢献した後、ミックスゾーンでこう言った。
「ダイナミックなプレーを意識していました。エゴイストになるというか……。今回は左のワイドポジションでプレーしましたけども、そこから右サイドの裏のスペースにも走ろうとしていました。そうすれば絶対に誰も付いてこれないと思うから。苦しい時間帯にこそ、そういったプレーができればいいなって」
ドイツやベルギーで培ったフィジカルコンタクトの強さは彼のプレーを支えるバックボーンとなった。
元々球際の勝負には定評があったが、2年の月日が無駄ではなかったことを証明するためにも、相手に屈しない強固な姿勢を代名詞にしたかった。
サッカーの世界では淡白な振る舞いなどいらない。苦悩に満ちた時期の経験を活かすことで、この世界を生き抜く路を開きたい。
2度目のJリーグでプレーする彼の立ち居振る舞いからは、その揺るぎない意志が溢れ出ていた。
「コンタクトには自信があったから。それは日本に帰ってきてからなおさら」