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捲土重来を期す、レッズ関根貴大。
「ゴールかアシストで二桁を」
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph byJ.LEAGUE
posted2020/02/20 11:30
ドイツとベルギーでの約2年間の“武者修行”を経て、昨年6月に浦和レッズに復帰した関根。今季はチーム成績も個人成績も結果に拘るという。
跳ね飛ばされて地面に突っ伏した。
だが、個人の奮闘がチーム成績に直結しない現実に直面すると、その気負いは自らのストロングポイントを消す要因となった。
「チームが勝ち星を挙げられないなか、自分の良さを出すよりも、チームの中で何が必要かを考えすぎたのかもしれない。でも、その結果、自分のプレーの質も下がったし、僕自身の力をチーム力へ還元できなかった」
先述したACL決勝第2戦の74分、カウンターから疾駆するアルヒラルMFカリージョの右半身に体を当てた関根は、その数倍の力で跳ね飛ばされて地面に突っ伏した。
その後、アルヒラルは3本のパスを経て貴重なアウェーゴールを挙げ、第1戦を落としていた浦和はアジア王座奪還の道を失った。
「現実を思い知りましたね。競り合いで負けてしまって、チームに迷惑をかけてしまった。この試合の僕は前半の決定機も外してしまったし、本当に自分の責任を痛感するばかりだった」
新しいポジションを与えられた。
2019シーズンのACLを準優勝で終え、Jリーグで14位に低迷した浦和レッズは、今冬から抜本的なチーム再編に着手した。沖縄キャンプでは新システム4-4-2の修練に取り組み、その輪の中には関根の姿もあった。
彼に与えられたのは右MFのポジションだった。今まで経験したことのない役割だったが、年が明けて心身をリフレッシュさせた本人は意欲的にトレーニングへ取り組んだ。
「新しいポジションは、とても前向きに捉えられましたよ。モチベーションは高かった。ただ、その役割を知っていくにつれて、『大変なポジションだな』とも思うようになりました」