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コロナウイルスで封鎖の武漢所属。
ラファエル・シルバに質問してみた。
posted2020/02/13 11:30
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Getty Images
昨年12月に中国湖北省武漢で発生した2019年新型コロナウイルス(COUID-19)の流行は、とどまるところを知らない。
この原稿を書いている2月10日時点の死者は908人(前日から97人増加)で、感染者の数は4万人超。ロンドン大衛生熱帯医学大学院(LSHTM)は、「感染者数が50万人に達する可能性がある」という衝撃的な予測を発表した。
この武漢に本拠を置く武漢卓爾(以下、武漢)に、日本のフットボール・ファンにも非常に馴染み深いブラジル人ストライカーが在籍している。
中国でもコンスタントに得点をマーク。
ラファエル・ダ・シルバ、27歳。
サンパウロ出身で、名門コリンチャンスの下部組織で育ち、コリチーバ(1989年に三浦知良も在籍した)でプロになり、ルガーノ(スイス)を経て、2014年8月、アルビレックス新潟に入団。Jリーグで2015年に7得点、2016年に11得点を挙げ、この年の末に浦和レッズへ移籍した。
2017年、Jリーグで12得点を記録する一方で、AFCチャンピオンズリーグで大活躍。グループステージ6試合で5得点をあげると、決勝トーナメント8試合でも4得点。とりわけ、決勝のアルヒラル戦ではアウェーで先制点をあげると(結果は1-1の引き分け)、ホームでの第2レグで強烈なミドルシュートを叩き込み、これが決勝点。決勝2試合のチーム全得点を1人で記録した。
彼の活躍なくして浦和の2度目のアジア制覇はなかったはずで、浦和ファンにとっては永遠のヒーローだろう。
2018年2月、武漢(当時中国2部)に推定移籍金9億5000万円で移り、その年に22得点を挙げて優勝と1部昇格の立役者となった。昨年は中国1部で8得点をあげた。
そのラファエル・ダ・シルバは、現在、中国の武漢ではなくスペインのセビージャにいる。その事情を、母国ブラジルのメディアに次のように説明している。