熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
本田圭佑「見たことがない光景」
ボタフォゴの熱烈歓迎、2つの理由。
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byHiroaki Sawada
posted2020/02/12 12:00
本田圭佑を迎え入れる多くのボタフォゴファン。空港到着時からすでに大盛り上がりだった。
セレモニーに1万人超が集結!
翌8日は、早朝から本拠地ニウトン・サントス・スタジアムで一連の本田圭佑入団セレモニーが行なわれた。
1万人を超えるサポーターが集まり、U-17の試合を観戦し、サンバや和太鼓の演奏を楽しみながら、前日同様、歌やコールを繰り返す。皆、興奮状態で、主人公の登場を待ちわびていた。
正午から、スタジアム内の大会議場で入団会見が行なわれた。
テレビカメラが10台以上林立し、ブラジルのメディアが100人以上、日本のメディアも10人ほどが席を埋めた。
ネルソン・ムファレジ会長から「ワールドカップ3大会に出場した、日本フットボール史上最高の選手」と紹介され、本田は笑顔で背番号4のユニフォームをまとった。
本田が饒舌に語った感謝と決意。
会見は英語、ポルトガル語、日本語で行なわれ、ポルトガル語以外は通訳なしで対応。終始、笑みを浮かべ、饒舌に語った。
「ボタフォゴを選んだ理由は、サポーターの情熱。彼らは僕を必要としてくれ、僕のツイッターに多くの熱いメッセージを送ってくれた。
昨日の空港での歓迎は、僕の人生で初めて見る光景。ACミランに入団したときも空港に大勢のファンが来てくれたが、それより多かった。良い意味でのプレッシャーを感じるが、これはACミランを退団してから久しく感じていなかったこと。僕はプレッシャーが大好きなので、今、とてもワクワクしている。
多くの優れたブラジル人選手が日本でプレーし、そのことが日本サッカーの成長を手助けしてくれた。だから、日本人の僕がブラジルでプレーすることは、日本からブラジルへの恩返しという意味もある。日本人代表としてここで活躍し、ブラジルの人たちに認めてもらいたい。
とはいえ、日本とブラジルの差はまだまだ大きい。日本人がブラジルで活躍するのが極めて困難なのはよくわかっており、僕にとって本当に大きなチャレンジとなる。まずは試合に出て勝利を目指し、チームメイト、監督、サポーターに認められたい。このプロジェクトの先に、東京五輪(出場)があると思っている。毎日、1人でトレーニングしてきた。早くチームに合流して練習したい。2、3週間後のデビューをイメージしている。
このチームでは、中盤でゲームを組み立てることが僕の役割になると思う。前線に若くていい選手がいるから、彼らを生かしながら、中盤でゲームを支配したい」