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本田圭佑「見たことがない光景」
ボタフォゴの熱烈歓迎、2つの理由。
 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byHiroaki Sawada

posted2020/02/12 12:00

本田圭佑「見たことがない光景」ボタフォゴの熱烈歓迎、2つの理由。<Number Web> photograph by Hiroaki Sawada

本田圭佑を迎え入れる多くのボタフォゴファン。空港到着時からすでに大盛り上がりだった。

フラメンゴのジーコについても言及。

 ジーコがあなたのことを褒めており、「ボタフォゴはいい選手を獲得した」と言っている。ただし、彼が活躍したフラメンゴはボタフォゴの最大のライバルなのだが……。という問いには、以下の通り答えた。

「ジーコには感謝している。彼をガッカリさせないよう、気合を入れて頑張る。ライバル関係の激しさは承知している。フラメンゴとの試合では、しっかり活躍してボタフォゴの力になりたい」

 この言葉にはクラブ関係者と一部のブラジルメディアから拍手、歓声、「ブラボー」の声が挙がった。その一方で近年、ボタフォゴは成績が低迷しており、クラブの財政状況も良くない。昨日、空港でもあなたを歓迎する一方で、会長、監督は罵倒されていた。この国のサポーターは、すぐに手の平を返す。このような質問を投げかけられると本田はこう返した。

「この数年、ボタフォゴがいいシーズンを過ごせていないとしたら、それは僕個人にとってもボタフォゴにとってもチャンスであり、ポジティブなこと。これからチームとして頑張ったら、みんなで上へ行ける。そのためにベストを尽くす。そして、これまで自分が経験してきたことを全部、このクラブに置いていきたい」

 これにもクラブ関係者と一部のブラジルメディアから拍手、「いいぞ!」の声が。

 約40分間、本田節が炸裂した。終始、堂々とした受け答えで、いくつかのコメントには拍手が起きていた。

伝説のジャイルジーニョも登場。

 会見後、本田はサポーターが待つスタジアムへ。「背番号4」がピッチに姿を現わすと、大歓声が起きた。

 クラブのレジェンドであるジャイルジーニョ(かつての名右ウイングで、1970年W杯優勝メンバー)と肩を組み、満面の笑顔を浮かべる。

 ボールリフティングをしてみせ、ボールや自身の写真入りの特製コップをスタンドへ投げ入れ、「ヴァモス(行くぞ)!」と叫んで再び喝采を浴びた。

 この2日間、33歳の日本人選手がクラブ、メディア、サポーターから受けた扱いは、世界のスーパースターへのものだった。

【次ページ】 なぜこんなにも熱烈な歓迎を?

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