熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER

本田圭佑「見たことがない光景」
ボタフォゴの熱烈歓迎、2つの理由。
 

text by

沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

PROFILE

photograph byHiroaki Sawada

posted2020/02/12 12:00

本田圭佑「見たことがない光景」ボタフォゴの熱烈歓迎、2つの理由。<Number Web> photograph by Hiroaki Sawada

本田圭佑を迎え入れる多くのボタフォゴファン。空港到着時からすでに大盛り上がりだった。

なぜこんなにも熱烈な歓迎を?

 なぜ、本田圭佑はかくも熱烈かつ盛大に迎え入れられたのか――。

 それには、2つの理由が考えられる。

 まず、CSKAモスクワ、ACミラン、日本代表などで活躍した経歴が、ボタフォゴのクラブとサポーターに「この男ならチームを勝たせてくれる」と思わせたこと。

 その一方で、ボタフォゴのクラブとサポーターが、低迷する古豪の救世主となりうる存在、起爆剤となれる選手を必要としていたこと。

 ただし、そのためには実力があり、なおかつ「パーソナリティ」がなければならない。

 ブラジルでは、自分の考えをしっかり伝え、困難な局面でも逃げ腰にならず、堂々と立ち向かう人物を「パーソナリティがある」と表現して高く評価する。

 その匂いを、ブラジル人はこの日本人選手に嗅ぎ取ったのだ。空港で日の丸の鉢巻きをして本田を出迎えた若いブラジル人女性も、「彼にはカリスマ性を感じる」と話していた。

 そして、入団会見で、本田は自分の考えを自分の言葉で堂々と表現した。確固たる「パーソナリティ」を示した。そのことが、ブラジル人たちのツボにはまった。

 本田圭佑のブラジルでの最初の2日間の言動、すなわちリオに到着した際の振る舞い、入団会見における発言内容、そしてスタジアムでのサポーターへの対応は、100点満点、いやそれ以上だった。

早くも監督が解任される事態に。

 ただし、選手である以上、勝負はこれから。ピッチの上で、誰もが納得する結果を出さなければならない。

 2月9日、ボタフォゴはリオ州選手権前期の最終節でフルミネンセと対戦。準決勝に進むには勝たなければならない試合だったが、前半だけで3失点し、なすすべなく敗れた。サポーターは怒り狂っていた。

 試合後、ボタフォゴはアルベルト・ヴァレンチン監督を解任。シーズンが始まって23日目、6試合を消化した時点で、である。

 これには本田も驚いたはずだ。チームの監督が、まだろくに会わないうちにクビになったのだから。

 もっとも、チームが州選手権前期で敗退したので、2月29日の後期開幕まで約3週間試合がない。新監督のもとで、練習に集中できる。このことは、加入したばかりの本田にとって悪くないはずだ。

【次ページ】 ブラジルと間違いなく相性がいい。

BACK 1 2 3 4 5 NEXT
#本田圭佑
#ボタフォゴ

海外サッカーの前後の記事

ページトップ