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五郎丸歩とも田村優とも全然違う。
ダン・カーターの独特なキックとは?
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph bySportsPressJP/AFLO
posted2020/02/12 18:00
テストマッチでの世界最多記録となる1598得点を誇るダン・カーター。神戸製鋼でもそのプレースキックは重要な得点源だ。
筋力的にこの蹴り方が難しくなってきた?
しかし、世界のダン・カーターも40歳に近づいてきて「キックをどう変化させていくか」に栗原は注目しているという。
キヤノン・イーグルスとの開幕戦(1月12日)。13分、ゴール右からのコンバージョンキックで引っ張り切れずに失敗したシーンがあった。
「もし引っ張り切れないシーンが増えていくようだと、筋力的にこの蹴り方が難しくなってきたということなのかもしれません。足へのストレスは、ケガにもつながりかねない。
偉大なスーパースターがそう感じたときに、どのように蹴り方をアレンジしてくるのか、それともアレンジしないでチャレンジしていくのかというのは、僕だけじゃなくて世界が気に掛けていることだとは思います」
感覚派か、制限派か。
Number本誌の記事では五郎丸や田村の解説に加え、栗原はパナソニック・ワイルドナイツの竹山晃暉について「次期日本代表キッカー候補になる」と語っている。
また、今季のトップリーグの外国人選手ではダン・カーターとともに日野レッドドルフィンズのジャック・デブラシーニに注目しているという。
ニュージーランド出身の26歳。今季から日野に加入した大型SOだ。
「スーパーラグビーでは有名なキッカーでしたし、ホンダ(・ヒート)でもプレー経験がありました。キッカーのタイプで敢えて分類するとしたらバリバリの感覚派ですね」
感覚と対を成すのが制限。
イングランドの英雄ジョニー・ウィルキンソンが制限を重視した流れは今も続いている。
ボールへの入り方、蹴り方などに制限をつけておくことで、成功しなかったときに振り返って修正しやすいのだと栗原は言う。「動きを制限せずに感覚に頼ってしまうと振り返ることができない」とも。