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ゴンの「9番」を託された小川航基。
J1昇格、東京五輪でも日の丸を――。
posted2020/02/03 11:45
text by
望月文夫Fumio Mochizuki
photograph by
JFA/AFLO
各年代で日の丸を背負ってきた男が、J2のジュビロ磐田に戻ってきた。
半年後に迫った東京五輪出場を狙うU-23日本代表FWの小川航基である。
昨年7月に期限付き移籍していた水戸ホーリーホックから古巣に戻り、1月下旬から始まったシーズン前恒例の鹿児島キャンプでは、引き締まった表情で汗を流す小川の姿があった。
1月29日、チーム初の実戦となった鹿屋体育大(鹿児島)との練習試合、さっそく存在感を見せつけた。
主力組が出場した30分×5本の1本目。2トップの一角で先発した小川は開始3分、左サイドを駆け上がった右MF藤川虎太朗の横パスを中央で受けると、足下で止めたボールを狙いすまして右足でゴール左隅に押し込んだ。これが磐田にとっては2020年のチームの幕開け弾。出場した60分間で6本のシュートを放つなど、小川は幸先よく五輪イヤーをスタートさせた。
「シュート6本で1得点は良くない」
ところが、大舞台を目指す男はこの程度では納得していなかった。「ゴールを1つ取れたことは、個人としてもチームとしても良いこと」と前置きしたが、「シュート6本で1点は良くない。決定力という部分では課題が残った」と厳しく評価していた。
チームは昨年J2に降格し、言うまでもなく今季最大の目標は1年でのJ1復帰だ。1試合1試合をしっかりと勝ち切るためには、1点でも多くのゴールを積み上げる必要がある。結局格下の大学生を相手に、30分×2本(60分)の間でチームが奪ったゴールは小川の1得点のみ。
「得点が取れなければ間違いなくFWの責任。その責任を背負う覚悟をもって、たとえ少ないチャンスでもしっかりと決められるようにしたい」