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鹿島がどうしても欲しかった男。
MF和泉竜司「中核を担わないと」
posted2020/02/04 11:40
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
常勝軍団――。そのイメージはずっと抱いていた。だが、いざ鹿島アントラーズのユニフォームを着て初めてピッチに立ち、それに反する結果を突きつけられると、ズンと重いものがのしかかってきた。
今季、名古屋グランパスから鹿島に完全移籍をしてきたMF和泉竜司の心境である。
ACLプレーオフ、鹿島vs.メルボルン・ヴィクトリー。昨季J1リーグで3位だった鹿島は、ACLグループステージ進出に向けて、この一戦をホームで迎えた。激しい風と雨の中で行われた一発勝負は、0-1で敗退。2020年シーズン初戦、いきなりタイトルを1つ失った。
「いつの時も負けることは悔しいのは当たり前ですが、ショックな気持ちがとてつもなく大きいです。鹿島に来たばかりの僕がそこまで大きな衝撃を受けるということは、(三竿)健斗君や(土居)聖真さんのように長く在籍する選手はもっとショックだろうし、鹿島のファン、サポーターの声援を受け続けてきたからこそ、いろんな感情が込み上げているんだろうなと感じました」
ACL敗戦に「心から申し訳ない気持ち」
この試合、和泉は左サイドハーフでスタメン出場を果たした。インサイド気味にポジションを取り、正確なボールコントロールとパスセンス、攻守の切り替えの早さを発揮して攻撃を活性化した。17分にはペナルティーエリア手前で強烈なシュート。相手GKのファインセーブにあったが、チームのファーストシュートで決定機を作り出した。
だが、同じく今季新加入の左サイドバック永戸勝也との連係が徐々に噛み合わなくなる。さらに、今季から就任したザーゴ監督のサッカーを浸透させる時間が十分になかったことも重なり、チームとしての機能性が落ちていった。54分に失点を喫すると、72分にこの日チーム最初の交代を告げられたのは和泉だった。
「(天皇杯決勝が行われた)元日まで戦った選手はチームへの合流も遅くて、すり合わせる時間がなかったのは事実です。練習試合も1試合しかやっていないので、試合勘の難しさはありました。それでも、今日は内容どうこうよりも勝つことがすべての試合でした。その認識を持って臨んだのですが、メンバーに対してもそうですし、悪天候でもスタジアムに来てくれた人たちに、心から申し訳ない気持ちでいっぱいです」