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ホークスは契約更改にて最強。
柳田&森の“次”は甲斐野に尾形。 

text by

田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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photograph byNanae Suzuki

posted2020/01/05 11:40

ホークスは契約更改にて最強。柳田&森の“次”は甲斐野に尾形。<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

7年という巨大契約を結び、生涯ソフトバンクを宣言した柳田悠岐。それを決意させるだけの環境がこのチームにはある。

「先発>リリーフ」に一石を投じた。

 ネットニュースのコメント欄には賛否両論の声があった。その中に「エースの千賀(来季年俸3億円)より高いのか?」との書き込みも見られた。

 投手分業制が当たり前となった昨今においても「先発投手>リリーフ投手」の考えは根強く残る。そんな風潮に一石を投じた意味で、今回のホークス球団の“査定”は高く評価できるのではなかろうか。

 森と同日に契約更改を行った嘉弥真新也は3000万円増の年俸1億1千万円プラス出来高でサインをした。左腕の嘉弥真は'17年シーズン前にサイドスローに転向して以降の3年間で通算179試合に登板。主な役割は左打者を抑えるワンポイントリリーフである。他球団ではなかなかお目にかかれない高評価での契約となった。

 そういえば、ひと昔前の契約更改ではリリーフ投手から低評価の改善を訴える声が頻繁に上がっていたが、ここ数年の取材ではほとんど聞かれなくなった。

 ブルペンの力量がペナントの行方を左右する。

 ホークスはその重要性に気づき、評価もきっちり行う。損な役回りなどではないから、与えられたポジションで彼らは懸命に腕を振る。

故障者続出でも2位になれたのは。

 2019年シーズンを振り返れば、3年連続日本一になったとはいえ、2年連続でシーズン2位に終わった。選手の誰もが「どこか心の底から喜べなかった」と声をそろえる。

 だが、考えようによっては主力クラスに故障者が続出した中での2位確保はかなり健闘したといえるのではなかろうか。

 チームを押し上げたのはやはりリリーフ投手陣の安定ぶりだったと考えている。ルーキーながらチーム最多の65試合に登板した甲斐野央、4年目でブレイクをした高橋純平、大卒2年目で大器と期待の椎野新といった新しい顔ぶれの台頭がなければ、まったく違ったオフを迎えていたに違いない。

 2020年、ホークスは4年連続日本一とともにパ・リーグ優勝を強く誓って、また翼を広げる。

【次ページ】 12球団新人最高額の3500万円。

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