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「打って、甲子園を沸かせたい」
阪神矢野監督の積極補強に動く本音。

posted2020/01/04 20:00

 
「打って、甲子園を沸かせたい」阪神矢野監督の積極補強に動く本音。<Number Web> photograph by Kyodo News

秋季キャンプで井上一樹打撃コーチとともに練習を見守る矢野燿大監督(右)。

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田中大貴

田中大貴Daiki Tanaka

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Kyodo News

 このオフに獲得した外国人選手は5人。阪神タイガースは来季、8人の外国人選手で臨むことになる。大補強を繰り広げ、ストーブリーグで話題になった。

 就任1年目を終えた矢野燿大監督がこのオフ、こんなことを口にしていた。

「今季はもっとやれた、が正直なところ。投手陣は本当によく頑張ってくれた。新しい戦力となる投手たちが出てきてくれた。失策の数が100を超えて、守れなかった……それでも貯金が1つ。不思議だよね。だからもっと勝てる、勝てた、ってことなのよ」

 2019年は69勝68敗6分でセ・リーグ3位。クライマックスシリーズに進出し、ファイナルステージで巨人に敗れた。投手陣のチーム防御率は12球団トップの数字をマーク。投手力に一定の手応えを得たものの、一方で指揮官はこんな本音も吐露している。

「正直なところはやっぱり打って勝ちたいよ。打って、広い甲子園を沸かせて、勝ちたいよ」

強い阪神は打線が魅力的だった。

 確かに、阪神が優勝するときは打線が強力だった。1985年は岡田彰布氏や掛布雅之氏、2003年と2005年は金本知憲氏、今岡誠氏という和製長距離打者がいて、もちろん矢野監督もその一角を担い、2003年にはリーグ3位の打率.328をマークしている。

 そして、優勝メンバーにはリーグの打撃タイトル争いをするような外国人打者が必ずいる。1985年にはランディ・バース、2003年にはジョージ・アリアス、そして2005年はアンディ・シーツ。12球団でもトップクラスに広い球場である甲子園で、30本塁打以上、または100打点を超えてくるような外国人選手が主軸にいるかどうかは、優勝するための大きなカギになる。

 矢野監督もこのオフ、国際担当スカウトが作った映像を入念に確認し、打撃スキルはもちろん、性格的な部分も重視しながら積極的に外国人選手獲得にかかわった。メジャーリーグ通算92本塁打のジャスティン・ボーア、韓国球界打点王のジェリー・サンズを獲得し、残留組のジェフリー・マルテを合わせてスタメンに3人が名を連ねる可能性もある。この中から広い甲子園をものともせず、阪神を優勝へと導く打者は現れるのか。

【次ページ】 打線強化に必要なピース。

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