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南野拓実がザルツブルクで得た宝。
「俺めっちゃサッカー好きやで!」
posted2019/12/21 11:50
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph by
Getty Images
昨シーズン、世界最高峰の大会である欧州チャンピオンズリーグで優勝したリバプール。今季のプレミアリーグでは首位を独走し、30年ぶりとなるリーグ優勝に向け視界良好だ。
稀代の名将ユルゲン・クロップの下、オランダ代表ファンダイク、エジプト代表サラー、セネガル代表マネ、ブラジル代表フィルミーノなどなど、各国のエース級がずらりと揃うクラブに、1人の日本人選手が移籍することになった。
リバプールは12月19日、オーストリア王者のザルツブルクから南野拓実を獲得したと公式発表。水面下で様々な噂が出ては消え、日本のみならず各国メディアが高い注目度で報じてきた移籍話は、現実のものとなった。
CLリバプール戦で見せた鮮烈な輝き。
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今季の南野はザルツブルクでマーシュ新監督に認められて主軸の1人となり、公式戦22試合で9得点11アシストをマーク。CLグループリーグ6試合におけるセンセーショナルな戦いぶりは記憶に新しい。
特にリバプールのホーム、アンフィールドで見せたプレーは、特大のインパクトを与えた。一時は0-3と谷底に突き落とされたはずのザルツブルクが、後半見違えるようなプレーでリバプールを追い込んでいく。
前半途中からトップ下にポジションを移した南野は1得点1アシストの結果を出したうえ、つかみどころのない動きで相手ディフェンスに混乱をもたらし、守備でもさぼることなく何度もボールを奪い取るなど、攻守でチームを牽引した。
ザルツブルクのホームで迎えた試合でも、これまで以上に警戒してくる相手に臆することなく自分のプレーを出し続け、何度もチャンスを作り出す。プレーで自分の実力を認めさせ、そして世界トップクラスのクラブから貴重な戦力として迎え入れられたのである。