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独メディア曰く「キングカマダ」。
鎌田大地が見せる数字以上の技量。
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byGetty Images
posted2019/12/17 15:00
ブンデスリーガでこそゴールをなかなか奪えないものの、ELでの活躍ぶりを見れば鎌田大地の成長ぶりはハッキリと分かる。
今のプレー内容+直接ゴールに絡む。
試合出場を積み重ねていくごとに、ひとつひとつを吸収し、課題を持ち帰り、着実な成長を遂げている。チーム内における信頼はじっくりと、がっちりと築き上げてきている。そして、そんなチームにプレーで貢献している自負がある。
だからこそ得点・アシストだけで判断されることにも少なからず違和感を抱く。そうではないのだ、と。
選手の評価を数字だけで語るのは、やはり違う。
「いろんな人がいろんな見方をすると思います。去年は点を取れましたけど、それ以外では何もしてないと思う。点を取れば良いイメージがつくと思いますけど、それはメディアの皆さんがどう書くかで変わってくると思います。
僕自身が思い描いているところはずっと変わらないし、僕自身はうまく上に行くために、いい成長の踏み方をしていると思うので。今のプレー内容+アシストと得点を、もうちょっと増やしていければ、僕の目指しているところにある程度近づけるのかなと思います」
そうした姿勢があるから、選手、監督、ファンから信頼されていく。フランクフルトの誰もが鎌田のチームへの高い貢献度を理解している。
だからこそみんなが鎌田のゴールを待ちわびていた。
「アーセナル戦で2点入れて……」
ELグループリーグ6戦目のギマラエス戦後、「アーセナル戦で2点入れてやっぱりこう……僕自身何かを変えたつもりはないですけど、こうやってゴールにすごい近づけて、段々成長できているっていう感覚はあるので、まあそういう部分では良かったと思います」と振り返っていた。
やるべきことを大事にし、そのプロセスの先でゴールをこじ開けたことで見えた景色。結果が大事だとよく言われる。攻撃的な選手はいつでも数字で測られるのは確かだ。
しかしゴールにおける一番大きな意味は、ようやく得点を決めたことを首脳陣、チームメイトが自分のことのように喜んでくれたことだった。
ゴールを決めたからOK、というわけではない。ゴールを取って報いられるべき選手として認められていたから、喜べるのだ。