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憧れはウッズ、目標はアニカ超え。
父が語る19歳笹生優花の思考と夢。
posted2020/08/18 20:00
text by
キム・ミョンウKim Myung Wook
photograph by
Atsushi Tomura/Getty Images
「夢はアニカ・ソレンスタムの記録に迫ることです」
堂々とそう言ってのけるのは、国内女子ツアー2戦目の「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント(軽井沢72ゴルフ 北コース)」で初優勝した19歳の笹生優花(さそう・ゆうか)だ。
アニカ・ソレンスタムといえば、米女子ツアー通算72勝、そのうちメジャーは10勝と圧倒的な強さで、女子ゴルフ界をけん引したプロゴルファー。賞金女王も8度と輝かしい経歴の持ち主でもある。
そんな伝説のゴルファーの記録に迫りたいと本気で思っているのだから、その思考からして“規格外”だ。
魅力は“規格外”の飛距離。
もっとも“規格外”なのは頭の中だけではない。近年の日本の女子プロゴルフ界では珍しい剛腕でもある。
19歳にしてドライバーショットの平均飛距離は260ヤードと規格外。特にNEC軽井沢72の最終日、16番パー5でのプレーが圧巻だった。
ドライバーでのティショットが追い風に乗り283ヤード地点に止まる。男子プロも驚くビックドライブだ。そして残り195ヤードのところで、選んだのはなんと6番アイアン。一般男性なら6番アイアンでの距離は約150ヤードといったところだろうか。それよりもはるかに飛ぶということになる。実際に放った2打目はピンの手前約2.5メートルにつくと、これを沈めてなんなくイーグルを奪取。
笹生がこれまで経験してきたものが、このホールに集約されていたような気がした。
最終的に1イーグル、7バーディ、ノーボギーの63(コースレコードタイ)で回り、通算16アンダーで2位タイの若林舞衣子、藤田さいきに4打差をつけての優勝だった。