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問題児FWガビゴルの幸せな未来は、
インテル再挑戦 or ブラジルで王様?
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byGetty Images
posted2019/12/03 11:30
リベルタドーレス杯決勝で値千金の2ゴールを決めたガビゴル。欧州か母国か、水が合う場所でプレーすべきである。
ブラジル人記者が語るガビゴル評。
期限付き移籍は、今年末で終了する。クラブは「チームに絶対に必要な選手」(ロドルフォ・ランジン会長)とみなしており、地元メディアは「インテルへ移籍金1億レアル(約26億円)を提示済みで、クラブ間では概ね合意している」と報じている。
しかし、ガビゴル本人は、「今後のことは、カタールでのクラブ・ワールドカップが終わってから決める」としか語らない。
ガビゴルの周辺情報に詳しいリオ在住のブラジル人記者は、こう解説する。
「彼は欧州で失敗したことをとても悔やんでおり、再挑戦したい気持ちが強い。ただし、インテルは彼の人間性とプレースタイルがイタリアには合わないと考えており、どうしても必要な戦力とはみなしていない。
欧州ビッグクラブから好条件でオファーが来れば、インテルも本人もそちらを優先するだろう。しかし、もしそのようなオファーがなければ、インテルはフラメンゴに売却するのではないか」
無責任だという非難の声もあるが。
フラメンゴに残れば、引き続き活躍する可能性が極めて高い。しかし、仮に欧州に再挑戦した場合、今度こそ成功するのか。その答えを探るには、以下のジェズス監督の言葉が参考となりそうだ。
「ガビゴルを無責任だと非難する人が多い。そのような批判は全くの的外れとは言えないが、実は少し無責任だからこそ、あれほど自由奔放なプレーができる。たとえば、コパ・リベルタドーレス決勝で彼は全く緊張しておらず、親しい友人と草サッカーをするのと何ら変わらない感覚でプレーしていた。
監督として、彼には最低限の責任感を持ち、常にチームの利益のためにプレーしてもらいたいとは思う。しかし、今でも彼は非常に素晴らしい選手であり、人間的にも私は彼のことが大好きだ」