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問題児FWガビゴルの幸せな未来は、
インテル再挑戦 or ブラジルで王様? 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byGetty Images

posted2019/12/03 11:30

問題児FWガビゴルの幸せな未来は、インテル再挑戦 or ブラジルで王様?<Number Web> photograph by Getty Images

リベルタドーレス杯決勝で値千金の2ゴールを決めたガビゴル。欧州か母国か、水が合う場所でプレーすべきである。

16歳でデビュー、2年連続得点王。

 1996年8月、サンパウロ郊外で生まれた。8歳でサントスの下部組織に入り、フットサルとフットボールを掛け持ちで練習。常に年齢より上のカテゴリーに所属し、常にチームのエースだった。

 15歳で国内有数の代理人が付き、この代理人が「フットサルとフットボールで記録した得点が600を超えた」として「ガブリエル」と「ゴール」を合体した「ガビゴル」という呼び名をメディアに売り込んだ。

 サントスとは16歳でプロ契約を結び、違約金は5000万ユーロ(約60億円)に設定された。

 2013年5月、16歳11カ月の若さでデビューし、8月、コパ・リベルタドーレスの試合で初得点。2014年にレギュラーとなり、コパ・ド・ブラジルで6ゴールをあげて得点王。翌年もこの大会で8ゴールを記録し、2年連続得点王に輝いた。この頃には、代理人が付けた「ガビゴル」が通り名となっていた。

約33億円でインテル加入後は……。

 2016年5月、19歳でブラジル代表(セレソン)で初出場し、パナマ代表との強化試合で初得点。リオ五輪に出場し、2得点をあげて優勝に貢献。8月、イタリア・セリエAの名門インテルへ移籍金2750万ユーロ(約33億円)で勇躍乗り込んだ。

 ところが、2016~17年、セリエAでわずか9試合に途中出場しただけ(1得点)。2017年8月、ベンフィカ(ポルトガル)へ期限付き移籍したが、ここでもリーグ戦、各種カップ戦含めて5試合で1得点。ほとんど戦力になれなかった。

 ブラジル国内での実績は、欧州ビッグクラブで活躍するロベルト・フィルミーノ(リバプール)、ガブリエル・ジェズス(マンチェスター・シティ)らより上。にもかかわらず、どうして欧州で成功できなかったのか。

 本人は、「出場機会がもらえなかった」としか語らない。では、なぜわずかな出場機会しか与えられなかったのか。

【次ページ】 ガビゴルには忍耐力がなかった。

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