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バロンドールはいつまでメッシに?
30代でも世界最強のアスリートたち。
posted2019/12/05 19:00
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
Getty Images
またまたまたまたまたリオネル・メッシだった。
「フランス・フットボール(FF)」が選出するサッカーの最優秀選手賞、バロンドールの話である。メッシは2015年以来、そして自身通算6度目となる受賞となった。2009年に初めて同賞(FIFAバロンドール時代も含む)を獲得してから11年で6回目の同タイトルである。その期間、クリスティアーノ・ロナウドに4回、去年のモドリッチに1回譲っただけ。あらためて恐ろしいことをやってのけている。
今回の得票は2位のビルヒル・ファンダイクと7ポイント差だったこともあり、「今年はCLを獲ったファンダイクの方がふさわしくない?」という声もある。その意見は腑に落ちる一方で、やはり“サッカーと言えばメッシ”という印象が強いからこそ、わずかな差で上回ったのだろう。
衰え知らずのメッシに畏敬の念。
10代からバルサを背負ったメッシは、30代になっても衰え知らずである。どんなトレーニングをすればそんなボールタッチができるのかというドリブルに、まるでリプレーのようにゴールネット隅に突き刺す直接FKは名人の域に到達しつつある。
この偉業、スペイン、アルゼンチンは当然のこと、サッカーの母国イングランドなど各国でも大きく称えられている。その中でスペイン紙『マルカ』の中に興味深い記事があった。
「10年もの間にわたって、エリートのパフォーマンス。メッシはいつまで選手寿命を伸ばしていくのだろう?」
世界広しとはいえ、10代で頭角を現し、20代すべてで活躍し、30代でも主力として健在な選手は数少ない。それがバルサというメガクラブで、なおかつスーパーエースとして活躍しているメッシなのだから、驚きを超えて畏敬の念が生まれても不思議ではない。