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問題児FWガビゴルの幸せな未来は、
インテル再挑戦 or ブラジルで王様?

posted2019/12/03 11:30

 
問題児FWガビゴルの幸せな未来は、インテル再挑戦 or ブラジルで王様?<Number Web> photograph by Getty Images

リベルタドーレス杯決勝で値千金の2ゴールを決めたガビゴル。欧州か母国か、水が合う場所でプレーすべきである。

text by

沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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 11月23日、ペルーの首都リマで行なわれたコパ・リベルタドーレス決勝で、ブラジルの名門フラメンゴの23歳のストライカー、ガブリエル・バルボーザ(ガビゴル)が決定的な仕事をやってのけた。

 先制して必死に逃げ切りを図るアルゼンチンの強豪リーベル・プレートから終盤に2点をもぎ取り、38年ぶり2度目の優勝を成し遂げる立役者となった。

 その一方で、この試合は彼の長所だけでなく課題も浮き彫りにした。

 前半は相手の厳しいマークを受け、スペースへ抜け出してパスを受けることができない。ようやく後半44分、左からのクロスを押し込む。さらに、アディショナルタイムに本領を発揮した。

 最前線で老練なハビエル・ピノーラ、新鋭ルーカス・マルティネス・クアルタの両CBに挟まれた格好で、自陣からのロングパスを競る。ボールがピノーラとガビゴルの頭上を越え、ピノーラが頭でクリアしようとしたが、ガビゴルとクアルタの間へ。ガビゴルが一瞬早く反応して左足を振り抜くと、GKの横を射抜いた。

リーベルのベンチ前で卑猥なポーズ。

 ところがその後、“おまけ”があった。ガビゴルがリーベルのベンチ前で卑猥なポーズを作って挑発して一発退場。フラメンゴのジョルジ・ジェズス監督は、髪の毛を逆立てて背番号9を叱りつけた。

 常にゴール前の最も危険な場所に忍び込み、ワンタッチかツータッチで正確無比のシュートを叩き込む。その抜け目なさと勝負強さは、元ブラジル代表の稀代の点取り屋ロマーリオを髣髴とさせる。

 コパ・リベルタドーレスで9得点をあげてぶっちぎりの得点王に輝き、ブラジルリーグでも第36節までに24ゴールを記録して得点王争いのトップを走る。

 その一方で、アタッカーでありながら極めて頻繁にカードをもらう。旺盛な闘争心ゆえの激しいプレーによるものもあるが、審判へのクレームなど無意味な言動によるものも少なくない。

【次ページ】 16歳でデビュー、2年連続得点王。

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