海外チームに移籍する日本人ライダーも。

　ホンダは、育成ライダーに対しては、グランプリにデビューしてから2年間はサポートするが、3年目には「プロライダーとして自立してくださいね」というのが基本的な姿勢である。その中で鳥羽海渡は特別に3年目のチャンスをもらえた稀有な才能の持ち主である。

　開幕戦カタールGPで優勝を果たし、鳥羽の3年目を強くプッシュした元世界チャンピオンの青山博一監督の期待にもしっかり応えた。その後は、優勝に少々こだわりすぎたのだろう、常に優勝争いに加わるのだが転倒が多くランキングは19位となる。しかし、一発の速さを評価されて、2020年はライバルメーカーとなるKTMのトップチーム「レッドブル・KTM・アジョ」に移籍が決まった。

　ホンダのトップチームから声がかからず、海外のライバルメーカーに移籍していくのは辛いところだが、日本のレース界にとっては、とてもうれしい出来事でもある。

日本人最高位の8位、鈴木竜生は来季が勝負！

　ホンダの育成ライダーとして'17年のルーキーズチャンピオンに輝いた真崎一輝は、この2年間、KTMで戦ったが思うように結果を残せず、来季のシートを失った。グランプリ復帰を目指し、来季はグランプリを目指す若手が集うFIM・CEVレプソル国際選手権に再びチャレンジすることを決めた。

　アジアタレントカップ、ルーキーズでチャンピオンに輝き、もっとも期待されてきた佐々木歩夢は、今季初PPを獲得するなど随所で光る走りを見せたが表彰台には立てず、総合でも20位と苦戦。しかし、才能を見込まれて来季は「レッドブル・KTM・テック3」に移籍が決まっている。

　そして、家族の強力なサポートで、FIM・CEVレプソル国際選手権からグランプリにデビュー。5年目を迎え22歳になった鈴木竜生は、日本人勢最高位の成績を残し総合8位。

　独自の道でグランプリを目指してきた鈴木は、来季のMoto3チャンピオン獲得を目指し、2021年のMoto2参戦を目指すこととなった。

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