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五輪代表唯一の大学生・田中駿汰。
ボランチ競争で生き残るために。
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph byGetty Images
posted2019/11/21 07:30
堂安律(左)とは中学時代のチームメイトだったという田中駿汰。コロンビア戦ではアピールならずも、代表争いに前向きなコメントを残した。
「周りには遅れているけど」
このままでは東京五輪の本大会に出場するのは難しい。そう思わざるをえなかった。それは田中も認めるところである。
「もっとワンタッチのパスを入れられたらよかったけど、一個持ってというプレーが多かった。リズム感を出していけなかったのは課題だと思う。それに個人よりもまずはチームが勝つことが大事な中、それもできなかった。今日の出来では生き残っていけないなと思います」
ただ、続けて口にした言葉には、壁にぶち当たろうが挫けずに前に進んできた田中の思いが漂っていた。
「今日の試合で感じたことを無駄にせずに、もう一回チームに戻って、これを最低の基準として考えて常に練習からやっていきたいです」
ひとっ飛びに追い抜くことができないのはわかっている。どんな時も自分に足りないところを改善するために、一歩一歩、進んできたからこそ今がある。
「だいぶ周りからは遅れているけど、それも無駄ではなかったと感じている」
これまでのように新たに立ちはだかった壁も1つずつ打ち破っていくだけ。田中は次なる舞台に向けて再び前に進もうとしている。