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報道陣も驚いた立田悠悟の「残念」。
U-22代表、清水で挑む生存競争。 

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望月文夫

望月文夫Fumio Mochizuki

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posted2019/11/14 11:15

報道陣も驚いた立田悠悟の「残念」。U-22代表、清水で挑む生存競争。<Number Web> photograph by J.LEAGUE

静岡ダービーでは悔しい結果に終わった清水DF立田悠悟。ブラジル遠征で掴んだ自信を糧に熾烈な代表争いに挑む。

交代出場した静岡ダービーでも……。

 今季公式戦4連勝中と相性のいい磐田が相手。ところが前半5分にセンターバックの元韓国代表DFファン ソッコがまさかの一発退場。ベンチにいた立田に突然出番が巡ってきたものの、交代直後に自身のミスから決定機を許すなど散々の出来に終わった。「あれほど試合にうまく入れないやつがいるのかというくらいのプレーだった」と自分の不甲斐なさに敗戦のショックが重なり、試合後は反省の弁を繰り返した。

 ファン ソッコの出場停止を受け、次の仙台戦でリーグでは6戦ぶりに先発出場したが、チームは0-2とまさかの4連敗を喫して15位まで後退した。そうしたチーム状況、自らのパフォーマンスを考えれば、今回の代表選出には「ホッとした」というわけだ。

 もちろん東京五輪の候補選手となっただけで満足するわけにはいかない。

「代表に行けば、『クラブで結果を残している人を使う』という話がよく出る。試合出場が少なく、その条件をクリアしていない自分は、代表での活躍で埋め合わせをしていくしかない。だから、他の選手よりもアピールが必要なんです」

 年齢条件を満たすA代表選手たちの五輪組への参戦で、代表入りへのハードルがさらに高くなっていることも感じている。

「A代表入りできなくて残念」

 今回のU-22代表のコロンビア代表戦には、並行して戦っている2022年W杯のアジア予選への招集が見送られたMF久保建英(マジョルカ)とMF堂安律(PSV)が加わってきた。U-22日本代表の森保一監督は今回の選出を「現状のベストメンバーだ」としたが、今後さらにオーバーエイジ組が加わる可能性もあり、立田は危機感を強めている。

 眼前には東京五輪出場という目標があるが、その先にはさらなる大舞台も想定している。まずはA代表入りと定着である。昨季、A代表とU-21代表(今回のU-22代表)が同時発表された際には、多くの報道陣に囲まれての最初の一言が「A代表入りできなくて残念」だった。選ばれた喜びよりもA代表に選ばれなかった悔しさをまず語ったのだ。

 取材者たちの驚きを誘った衝撃的発言だったが、各世代で日の丸を背負ってきた若武者だからこその自信の裏返しでもあった。

【次ページ】 ブラジルでの経験、先輩の刺激。

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