欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
長谷部誠も気になるライバルの動向。
「良い時のバイエルンとは雲泥の差」
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byGetty Images
posted2019/11/13 08:00
バイエルンの異常事態については、長谷部誠すら怪訝に思っている。監督交代はプラスに出るだろうか。
「3年くらいうまくいってないのかな」
退場したボアテンクの衰えを感じるかという質問に対して。
「うーん(と言ってボアテンクには触れず、バイエルンについて)今シーズンはあまりうまくいってないかなというのは見てても思うんですけど。バイエルン自身もけが人、CBにも多いですし、選手のやりくりも大変そうだと外から見てますけどね」
バイエルンの何が上手くいってないように見えるのかと聞かれて。
「僕もすべて見てるわけじゃないですけど、うーん、どうなんすかね、うーん。まあなんか本当に良い時のバイエルンとは雲泥の差があるというか、やってても見ててもそこは感じる。
もちろん個々の選手のレベルはリーグでもトップであるんだろうし、でもそれがうまく噛み合っていない。ほんと1、2年……、3年くらいちょっとこううまくいってないのかな。でも、監督を変えたらとかそういう問題でもない気がしますけどね」
ロッベン・リベリー云々ではない。
長谷部にとってコバチは一昨季まで共に仕事をした監督ではあるが、決して気を使ってと言うわけではないだろう。
長谷部のバイエルンへの印象をまとめると、苦しそうではあるが戦術やサッカーの質においても個の力的にも、間違いなくトップだということだろう。
ただ、聞いていて気になったのはそんな印象を3年前くらいから長谷部が抱いているということ。昨季限りで象徴的な存在だったロッベンとリベリーがバイエルンを去った。それが戦力ダウンにつながっているのではと見る向きがないではなかったが、長谷部は全くそんな点には触れなかった。迷走の原因はそれだけではなくもっと根源的なところにある、と見ているのだろう。