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長谷部誠も気になるライバルの動向。
「良い時のバイエルンとは雲泥の差」
posted2019/11/13 08:00
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph by
Getty Images
今季のバイエルンはおかしい。開幕戦でヘルタに引き分け、10月には第7節でホッフェンハイムに敗れ、続くアウクスブルクに引き分けた時点で現地報道はそんな雰囲気を漂わせ始めた。
だが、優勝した昨季も前半戦でアウクスブルクには引き分け、ヘルタには敗れている。王者、盟主であっても天敵はいると考えることだってできたはずだ。しかもリーグ戦とは裏腹にCLでは好調で、昨季準優勝のトッテナムとCLではクラブ史上初めて対戦しアウェイで7−2で下している。
調子の波は確かに不安定ではあるが、そのうちいつものバイエルンに戻るかにも見えた。だが、第10節、フランクフルトにアウェイで1−5と大敗した翌日、ニコ・コバチ監督は解任された。昨季の就任1年目で2冠を達成した、元バイエルンの選手であってもわずか18カ月であっさり解任されてしまう。
不可解なのは、後任が決まっていない状態であることだ。それにもかかわらず解任にあたり、クラブ側はルンメニゲCEO名義で強いテンションのコメントを発表している。
「この数週間の我々のチームのパフォーマンスと結果は、対策が必要なことを示していた。ウリ・ヘーネス(会長)とハサン・サリハミジッチ(スポーツディレクター)、そして私は今日日曜日、これについてニコとオープンで真剣な話し合いを行い、全員の合意の上でニコのFCバイエルン監督からの解任という結論に至った。FCバイエルンの名において、ニコ・コバチの尽力、特に昨シーズンの2冠達成に感謝したい」
何がなんでも、次が決まっていなくてもコバチを解任しなくてはいけないと思っていた、そういう風にも読み取れる厳しいトーンだ。
長谷部誠がバイエルンの苦境に言及。
解任前日のフランクフルト戦、出場のなかったフランクフルトの長谷部誠はバイエルンに関していくつか言及している
早い時間帯に退場者を出したことについて聞かれて。
「バイエルン自体もここまで非常に不安定なシーズンを送っている中で、1人少なくなったとはいえ、言ってもバイエルンですから。実際ゲームの中でもかなりチャンスを相手も作ってた部分もあるし。個の力はやっぱり、バイエルンだなという感覚はあったんですけど」