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カリアリ躍進でサルデーニャ熱狂!
野獣ナインゴランも激しく吠える。
posted2019/11/14 19:00
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
Getty Images
代表ウィークの間中、どれだけの人間がセリエAの順位表を2度見するだろう。
1位ユベントス、さすが。
2位インテル、うん、なるほど。
3位はラツィオ、カリアリか……カリアリ!?
晩秋のサルデーニャ島は大騒ぎだ。
11月10日、フィオレンティーナを5-2で破ったカリアリがセリエAの3位に躍り出た。
勝点24でラツィオと並ぶカリアリは、得失点差まで考慮すると4位だが、紛うことなきCL出場圏の「3位」にいる。
過去3シーズンの成績は15位、16位、11位。4シーズン前はセリエBにいた。どんなに楽観的な島民でも、開幕前、この時期の3位を予想した者はいないだろう。
「順位表は見ないよ。というのは嘘だ(笑)。しっかり見て、それから選手たちに発破をかけるんだ。行けるところまで行ってみようとね」
チームを率いて2年目のマラン監督は今、指導者人生最高の気分を存分に味わっている。
スクデット獲得以来の快進撃。
カリアリがリーグ戦12試合を終えて7つも白星を挙げたのは、クラブ史上50年ぶり。つまり、あのスクデットを獲った伝説の1969-70シーズン以来の快進撃に、島は大いに沸き立っている。
好調カリアリには、敵将も脱帽せざるをえない。
12節のフィオレンティーナ戦は、前半だけでMFログ、DFピサカーネ、そしてFWシメオネが3点を乱れ打つワンサイドゲームだった。
「あっちの方が完全に上だった。彼らの長所はわかっていたはずなのに何もできなかった」と、皮肉屋の敵将モンテッラにぐうの音も出させなかった。
その前週に対戦したアタランタの智将ガスペリーニにも、「ボールへ先に追いつくのは必ずカリアリの選手たちだった。彼らの技術レベルは高い」と言わしめた。