マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
阪神のドラフトに何が起きたのか。
甲子園のスターだらけ、もしや……。
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byKyodo News
posted2019/10/24 11:30
西純矢を繰り上げ1位で指名できたのは阪神にとって幸運だった。しかし、その後の指名には運ではなく意志を感じた。
ドラフトは5年後、10年後のプロ野球だ。
5年後、立派な「タイガース戦士」に成長した彼らを率いてチームの指揮を執るのが「自分」であることがわかっているのでは。
だからこその、楽しみでしょうがないみたいな満面の笑顔。
5年、もしかしたら10年、長いスパンでタイガース黄金時代の構築を託されているのでは……。
そんな妄想が広がった。
今年の「タイガース・ドラフト」、その結果を最も大きな喝采で迎えたのは、誰よりも、「タイガースファン」のひとりひとりだったのではないか。
ドラフト指名から透けて見える球団事情。
いや、もしかしたら、透けて見えた気がしただけなのかもしれないが、「ドラフト」とは間違いなく、5年後、10年後の「プロ野球」なのだ。