プロ野球亭日乗BACK NUMBER
巨人、先発不足のうえに中継ぎ崩壊。
連敗からの日本一は2回だけだが……。
posted2019/10/21 11:50
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Nanae Suzuki
ミスをした方が敗れる。
これは勝負の鉄則である。
「エラーが足を引っ張った。懸命にプレーしたが、結果的にはそのエラーが投手の足を引っ張ったということですね」
原辰徳監督がこう振り返ったように巨人はミスで手痛い星を落とし、6年ぶりの日本シリーズは連敗スタートとなった。
7回だ。好投のC.C.メルセデス投手から、大竹寛投手にスイッチしたその代わり端だった。先頭のアルフレド・デスパイネ外野手の打球を、この回から三塁の守備に就いた山本泰寛内野手が弾いた。どん詰まりで回転が不規則だったという不運もあるが、待って捕ろうとした結果のミスだった。
ソフトバンク打線がベテラン右腕を飲み込んだ。
そしてこの相手の失策からソフトバンク打線が、アッという間にマウンドのベテラン右腕を飲み込んだ。
すかさず工藤公康監督はデスパイネに代えて代走に周東佑京内野手を送る。周東の足を警戒して執拗にけん制を繰り返した大竹だが、一塁ベンチが仕掛けたのはエンドランだった。
カウント3ボール1ストライクから周東がスタートを切ったのに合わせて、打席のジュリスベル・グラシアル内野手が内角142kmのシュートを振り抜いた。この左前安打で一、三塁とチャンスを広げて、仕上げはムードメーカーの松田宣浩内野手だった。
2ボールからの3球目。やや内角寄りのベルト付近に入ってきた甘いシュートをセンターバックスクリーンへと放り込んだ。