明大進学を決断させた監督の言葉。

　今から4年前の高校3年の秋。プロに進むべきか、進学をするべきかで心が揺れていた。それでも明治大学への進学を決めたのは、計6回も大分にいる自分のもとへ足を運んでくれた善波監督の情熱に心を打たれたから。

「あれだけ熱心に誘っていただけて本当に嬉しかった。いろいろな言葉をもらって、今では大学に来て本当に良かったなと思います」

　善波監督からかけられた「同期でプロに行く人間がいても、大学での4年間で劣る部分はないし、自分の取り組み次第で絶対に追い越せる」という言葉も覚えている。大学生活最後のシーズンを迎えた今、まさにその通りになった。

仲間と勝ち取った選手権優勝。

　仲間との出会いも大きかった。特に感謝の思いが強いのは副将の北本一樹、喜多真吾、和田慎吾の3人を中心にした4年生のメンバーに対してだ。

「明大は全然、自分だけのチームじゃない。4年生が全員を引っ張っていて、その中で結果を残そうと思っている自分を周りの４年生がカバーして、やりやすい環境を作ってくれた。（昨秋に左肩を脱臼した）北本のアクシデントもあって、結果的に自分がキャプテンをやることになりましたが、自分が言えないことも北本や喜多が言葉や行動で示してくれている。そこは本当に4年生ありきのチームだったと思います」

　その4年生を中心にチームがひとつになり、勝ち取ったのが今年6月の全日本大学野球選手権だった。明大としては38年ぶり6度目の優勝。森下自身も準々決勝の東洋大学戦で7安打完封、決勝の佛教大戦は1失点完投で、最高殊勲選手賞と最優秀投手賞を獲得した。

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