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曽ヶ端準「日本人GK、頑張ろうぜ」
川崎・新井章太に響く大先輩の言葉。
text by
いしかわごうGo Ishikawa
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/10/12 11:40
昨年のJリーグベストイレブンに輝いたチョン・ソンリョンと鎬を削る新井章太。日本人GKの意地を見せようと奮闘している。
毎試合、ベンチで最善の準備を。
しかし、先発ではなくても、いつ、何が起きて出番が巡ってくるかはわからないのがGKの宿命だ。
毎試合、試合に備えてトレーニングに励み、緊張感を保ち続けながらベンチで最善の準備をする。出番のないまま試合が終わっても、次への準備を怠らなかった。
「ずっと変わらなかったです。自分のコンディションに満足するまで練習をする。もちろん、大変でしたよ。ナイターの後とかは、特に。それでもやらないといけないし、自分としても不安な要素を消しておきたかった。常に評価されているんだろうなというのはあったし、毎日の練習で評価が変わっていってはダメなんだろうなと思っていました。
半年間、試合に使われなかった時は悔しかったですが、いろんな自分も見つけられた。ずっと続けていくことでコンディションの上げ方もわかってきたし、それが自分のアベレージを高くできていた要因でもありますね」
天皇杯で8カ月ぶりの公式戦。
ようやく訪れた今季の公式戦初出場は、7月3日の天皇杯2回戦・明治大学戦だった。去年の第31節の柏レイソル戦以来となる公式戦出場となったが、それをしっかりカウントしていたのが彼らしかった。
「8カ月ぶりなんですよ。去年の柏レイソル戦が11月3日で、この天皇杯が7月3日。ちょうど8カ月ぶり(笑)」
――8カ月。
フィールドプレーヤーであれば、怪我による長期離脱でもない限りは、まず経験しないブランクだろう。GKといえども、試合勘なくプレーするのは決して簡単な作業ではなかったはずだ。だが新井はそれを感じさせないプレーを披露して完封。この体験は大きな自信になったと手応えを口にする。
「そのぐらい(試合から)離れていても、自信を持ってやれれば、ちゃんと試合に入れるんだなと。そういう意味では、プラスになった。普段、やっていることを続けていけばいいんだと思いましたね」