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武豊も「ショックな結果」と語る
凱旋門賞の日本勢完敗、多くの教訓。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2019/10/11 20:00
絶対王者エネイブル(左)を下し、フォワ賞の勝ち馬としては1984年以来の凱旋門賞勝利となったヴァルトガイスト(右)。
道悪は敗因でも言い訳にならない。
そして、陣営が口を揃えて敗因の1つに挙げたのが馬場である。前日、当日の午前中に激しい雨に叩かれた馬場は、重い状態となった。パリロンシャン競馬場特有の道悪であり、C・ルメール騎手に言わせれば「日本にはない道悪馬場」だそうだ。
実際、凱旋門賞は良馬場だと2分24秒台で決着しているのに、馬場が悪化した時は38秒台なんて事もある。日本の競馬場だと、馬場状態だけでこれだけの差がつく事は滅多にない。それだけ凱旋門賞の行われる馬場は日本とは違うという事である。
スピード競馬を身上とする日本勢としては可能な限り良い馬場状態でやって欲しいのだろうが、この時期のフランスは晴れ間が続いても朝露が落ちて馬場は濡れている。まして不順な天候も多い時期であり、場所柄日本のような高速馬場で出来る可能性はなかなかないのが現状だ。
そしてそれはフランスまで遠征をするくらいの陣営なら、ハナから頭に入っている事だろう。つまり道悪は敗因にはなっても言い訳にはならないのだ。
そもそも競馬であるから敗因は1つに絞られる事はなく、多くの要因が推察出来るだろう。今後、日本馬の巻き返しを図る上で、そのあたりは精査していかなければいけないところである。今回の敗戦が無駄にならず、今後につながっていく事を願いたい。