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鎌田大地が探すFWとしての生き方。
「経験が少ない分、発見しかない」
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byGetty Images
posted2019/10/12 11:50
鎌田大地のポテンシャルが、代表で完全発揮されているとはいい難い。ベストの形が早く見つかってほしい。
2022年は遠いか、近いか。
守備やポストプレーなど、普段の試合で1トップに求められる仕事も、モンゴル戦に限ってはそれほど必要とされなかった。逆にそういうプレーは中盤で積み重ねたキャリアのなかで磨かれているし、鎌田も自信があるはずだ。
だからこそ、ゴールを決めたかった。代表での得点は、不発続きのフランクフルトでのプレーにも影響を与えてくるだろうから。
そして何より、与えられた場所で求められるミッションを果たすことは、日本代表の一員としての居場所を確保するうえで重要なポイントになる。
「W杯カタール大会まではまだ2年以上ありますけど、遠いようで遠くはないと思っています。時間も多いわけじゃない。しっかりと代表に入り続けるうえでも、ポジションをものにしていかないとダメだから」
4本のシュート、1つのゴール。
鎌田のW杯への挑戦は、主戦場ではないFWとして始まった。
「今はまだ自分の立場を確立していないので、やれることをやっていくしかない。数年後のことはまったくわからないから、今求められることをやるだけです。もちろん、まずはフランクフルトで試合に出続けることが一番大事だと考えています」
この日鎌田は、記録上で4本のシュートを打っている。1ゴールという結果は悪くはない。しかし、そこで満足しているわけではない。
「今日の相手は特別だから。上へ上がれば、ゴール以外にも自分がやらないといけないことは多くなっていくと思っている。ゴール前の仕事もそうですけど、改善すべきところはまだまだある」
W杯アジア予選、しかも2次予選は格下相手の戦いが続く。どういう意識でその日々を過ごせばよいのか、4度目の出場となる川島永嗣はいう。
「初戦、そして今日のホーム初戦といい結果を残せている。アウェイの過酷な環境も含めて、最終予選へ向けてどうチームとして形を作っていくか、結果を残すことがもっとも重要だけれど、そのなかでどうチームとして躍動していくのかをもっと追求し、突き詰めてやっていかなくちゃいけない。
ただ勝った、点が入って大勝したというだけではダメだと思うし、そこで自分たちが満足することなく、これがもっと高いレベルでも通用するのかというのを見据えて、自問自答し、求めていかなくちゃいけない」