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鎌田大地が探すFWとしての生き方。
「経験が少ない分、発見しかない」
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byGetty Images
posted2019/10/12 11:50
鎌田大地のポテンシャルが、代表で完全発揮されているとはいい難い。ベストの形が早く見つかってほしい。
代表では、FWでの期待が強い。
鎌田はFWの選手ではなく中盤が主戦場の選手だが、3月以来の代表招集となった今回は、負傷欠場中の大迫勇也の代役といった印象が強い。
「3月に呼ばれたときは、(ベルギーで)点を獲れていた。とはいえ今回も、気持ちの面で変わることはなかった。ただ、FWは人生で代表でしかやったことがないので、新しいチャレンジ。自分が馴れるまでには時間がかかると思っていた。
今日は特別というか、試合展開を見ても、本当にゴール前での仕事だけをすればいい内容だった。だから今日はそのゴールを決める仕事だけを考えていた。チャンスは多かったけれど、決めきれないシーンも多かった」
FWでのプレーは「発見しかない」。
61分に南野に代わってピッチへ送り出された鎌田は、ポジショニングを確認するために永井謙佑やベンチ前の森保一監督と会話をしている。2トップなのか、永井との立ち位置をどうするかの確認だった。
相手との力の差もあり、スペースを見つけるのは容易だっただろう。とはいえ、パスを受けようとしたところで相手にボールを獲られたり、シュートチャンスで決めきれなかったりと、この日もなかなかゴールを決められなかった。
「やりづらさというのはなく、単純に僕自身のミスだから。普段はああいうシュートの打ち方をしない、そんなシーンが多くて。自分のセンスの無さというか、ストライカーとしては全然センスがないかなぁと。
それでも久しぶりにFWでプレーして、あれだけチャンスを作れていたのは良いポジションには入れていたということなので、そこはプラスに捉えられるところ。クラブではああいうザ・フォワードというシュートの打ち方は少なかったので、次の練習からはシュート練習でもああいう動き方にトライしてみようかなと。練習すればよくなる感覚が得られたのもよかったと思います。FWはやってきていないので、そういう意味では発見しかないから」