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山形でともに喜び、泣いた12年。
山田拓巳が願う「J1と新スタジアム」。 

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安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

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photograph byTakahito Ando

posted2019/10/12 09:00

山形でともに喜び、泣いた12年。山田拓巳が願う「J1と新スタジアム」。<Number Web> photograph by Takahito Ando

昨季から山形のキャプテンを務める山田拓巳。在籍12年目を迎える今季、悲願のJ1昇格を目指す。

周囲の期待に「結果」で。

「今、モンテディオというクラブが物凄いスピードで変わってきている。たとえばアウェーの遠征の試合では、より良い準備をするために前泊から前々泊に変わった。移動のバスも普通の観光バスが前節(ヴァンフォーレ甲府戦)からラッピングバスに。NDソフトスタジアムの芝生の手入れも本当にきめ細やかだし、選手が入場するゲートにもチームフラッグなどを置いてくれた。ロッカールームでもそれぞれのロッカーに大きな選手パネルを置いてくれるようになった。

 そういう変化を見るだけで、試合に挑むテンションが上がります。より多くのお客さんをスタジアムに迎えるために、スタッフや社長までもが参加して盛り上げてくれている。本当に感謝しかありません。些細なことかもしれませんが、周囲の方々の僕らに対する気配りと、J1昇格・定着に向けた本気度がヒシヒシと伝わってくる。

 だからこそ、僕らはこれに結果で応えないといけないと強く思える。J1に昇格すれば、スタジアム建設が加速するかもしれない。すべては僕ら次第なんです」

緊張感ある中で戦えることは幸せ。

 12年も在籍すれば、クラブに、山形という地域に対する愛情は計り知れないほど深くなる。さらに歳を重ねることで、今まで見えてこなかったクラブの動きも感じ取れるようになった。自身とクラブのモチベーションと方向性が一致している今だからこそ、絶対にまずは最初の目標であるJ1昇格を手に入れたい。

「こういう緊張感の中で最後まで戦えるというのは幸せなこと。モンテディオは若い選手が多いし、前節は自分たちのプレーができなくて負けた試合もあった。だからこそ、この勝利を機に、もう1度、回自分たちに集中して1試合1試合戦っていきたいと思っています。これから、周りの目がより気になってくる時期ですが、自分たちに集中したいし、そう雰囲気にチームをもっていきたい」

 山田は凛々しい表情でそう、語った。

【次ページ】 第一の故郷になりつつある。

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モンテディオ山形
山田拓巳

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