若い選手が活躍できる環境を。

　彼が発するコメントには、山形で積み重ねてきたものの重さと深さを感じ取ることができる。

「このチームは本当に若い選手が多く、チームとしての経験が（他のチームと比べて）少ない方だと思う。だからこそ、僕らベテランがしっかりと結果で示さないといけない。リーグ終盤の絶対に落としてはいけない今日の試合で、1点目を拓さん（本田拓也）が決めてくれたし、自分もこうして点を取ることができた。この時期に活躍することは重要だと思っていたので、ゴールできたことは意義あることだと思います。

　それに、移籍してきたハル（井出遥也）がなかなか点を取れずに苦しんでいる中で、古巣である千葉を相手に点が取れたというのは、チームとしても物凄く大きなこと。こうして若い選手がどんどん自信をつけてやれるような環境を作っていきたいと思う」

山形一筋12年、昇格も降格も。

　今年30歳を迎える山田は2008年に市立船橋高から山形に加入。山形一筋12年目を数えるベテラン選手だ。山形はこれまで2度のJ1昇格、降格を経験しているが、山田はそのすべてを経験してきた。昨季からキャプテンを任されている。

「他にも経験ある選手はいましたが、ずっとモンテディオにいて、責任感を持ってチームを引っ張っていってほしいと、木山（隆之監督）さんが僕を選んでくれた。そうやって責任ある立場になったことは嬉しいですし、サッカー人生でキャプテンを務めるのは中学以来だったので気持ちが引き締まりました。

　でも、昨年は12位とプレーオフにも届かない成績になってしまい、自分でも大きな責任を感じていた。だからこそ、今年は何としてでもJ1昇格を手にしたいんです」

【次ページ】　チームに貢献できず、再びJ2へ。