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マンCのプレミア3連覇へ最大の懸念、
CB問題をペップはどう解決する?
posted2019/09/28 11:50
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph by
Getty Images
マンチェスター・シティの監督に就任した3年前、ジョゼップ・グアルディオラは冗談交じりにこう言った。
「理想は100パーセントのポゼッション」
バルセロナでもバイエルン・ミュンヘンでも、ポゼッションありきで闘ってきた。また、前線の選手たちにはネガティブ・トランジションの意識を徹底し、丁寧に計算され尽くしたアクションを繰り返しながら対戦相手の選択肢を狭めていく。
しかも、90分を通じて最終ラインの設定が高い。8-0の圧勝を収めたプレミアリーグ第6節のワトフォード戦でも、マイボールになった際は2センターバックを除くフィールドプレーヤー全員が、自陣から飛び出していった。
この攻撃性こそがシティの持ち味であり、グアルディオラの真骨頂だ。
リスクが大きすぎるとか、ニアポストに入り込んできた相手に対する守備が脆いなどと指摘されても、同じ戦い方を貫いてきた。屈辱の8失点を喫したワトフォードGKベン・フォスターも、シティの強さに恐怖感すら抱いたという。
「いったい、何点取られるんだ!? 0-5で前半が終わったときには2桁、12、13失点も覚悟したよ。シティの攻撃力は恐ろしいほどだった」
気になるセンターバック不足。
しかし、考えなければならない案件がある。CBの不足だ。
プレミアリーグ第4節ブライトン戦で、アイメリック・ラポルテが右膝を負傷。復帰は早くて来年2月初旬と伝えられている。またジョン・ストーンズも9月14日の練習中に筋肉系の故障が再発し、11月初旬まで戦列を離れることになった。
その結果、一時は構想外だったニコラス・オタメンディにチャンスが巡ってきた。ただ、プロサッカー選手協会による年間ベスト11に選ばれた一昨シーズンが嘘のように、昨シーズンはパフォーマンスが急降下。グアルディオラの信頼を完全に失っている。
センターバック同士で幅を取る際に近すぎたり遠すぎたり、ボールホルダーにチャレンジするタイミングを誤ったり、ワトフォード戦でも開始早々から危なっかしいシーンは幾つかあった。そして何より、フィード能力が凡庸だ。