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「彼には驚かされた」ベッケンバウアーが明かす、全盛期の自分を思い出した“大好きな現役選手”とは?

posted2021/01/31 17:03

 
「彼には驚かされた」ベッケンバウアーが明かす、全盛期の自分を思い出した“大好きな現役選手”とは?<Number Web> photograph by L’Équipe

1974年7月7日、セップ・マイヤー(右の青)の横でワールドカップを掲げるベッケンバウアー

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田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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L’Équipe

 フランツ・ベッケンバウアーインタビューの後編である。どうしてリベロというポジションが生まれたのか。ペレを初めて見たときの衝撃、同じくドリームチームのディフェンダーに選ばれたカフーとパオロ・マルディーニについて、そして彼が自分に似ていると高く評価するビルヒル・ファンダイク……。ベッケンバウアーが語った(全2回の2回目/#1から続く・肩書などは掲載当時のままです)。

(田村修一)

「1958年W杯、ペレのプレーに涙を流した」

――カルロス・アウべルトは偉大な選手の歴史に名を刻むと思いますか?

ベッケンバウアー もちろんだ。ただ、私にとっては、時代やポジションの違いを比較するのは難しい。そういうことを踏まえても、ペレは史上最高の選手と言える。

 ディエゴ・マラドーナとヨハン・クライフは、才能の面ではペレ以上かもしれないが、ペレが現役でプレーした20年間に成し遂げたことと人々の記憶に刻印したことは他に例がない。W杯を3度獲得したこと自体が前代未聞だ。

――当時見ていて興味を感じた選手は誰でしたか?

ベッケンバウアー あのころはブラジル選手権やコパ・リベルタドーレスを見る機会はほとんどなかった。でも1958年W杯を見て、ペレのプレーに私は涙を流した。この大会を機に彼の名前は世界中で知られるようになり、生涯の分岐点となる大会となった。信じられないほどの才能とサッカーへの愛、爆発力と勝利への渇望が印象深く魅力的だった。彼がボールを保持するや否や、相手DFはパニックに陥った。ピッチのどの場所でも彼はセンセーショナルで、見ていて本当に楽しかった。

カフーとマルディーニとの3バックは?

――リベロとしてのあなたは、ピッチを自由に動くことができました。ポジションに囚われないプレーから、中盤の選手としても史上最強チームに選ばれたと思いますか?

ベッケンバウアー もともと私は守備的MFで、66年と70年のW杯は中盤でプレーした。それから突如攻撃の構築に加わるために、ポジションを変えることを思いついた。それがうまくいったのはより多くの自由を得られたからで、ポテンシャルを存分に発揮することができた。1972年のEUROでヘルムート・シェーン監督が私をリベロのポジションに配したのが最初だった。自由にプレーができるようになった私は、まるで水を得た魚のようだった。

――このドリームチームでは、カフーとパオロ・マルディーニがあなたとともに3バックを構成します。その点は満足していますか?

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