甲子園の風BACK NUMBER
星稜vs.智弁和歌山は“木製バット”。
国体をプロや大学へのステップに。
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byHideki Sugiyama
posted2019/09/28 20:00
星稜対智弁和歌山は、2019年の甲子園屈指の名勝負だった。木のバットは投手に有利だが果たして影響は?
木製バットとの距離を縮めるきっかけに。
ただ、約1カ月前に韓国で行われたU-18ワールドカップで、その成果が出たとは言いにくい。
U-18日本代表でコーチを務めた作新学院の小針崇宏監督は、ある程度の効果は感じつつも、「練習と実戦はまた違いますからね」と話していた。
3年生が中心となる今回の国体の試合が、来年のU-18代表に直接つながる部分は少ないかもしれない。しかし、真剣勝負の試合で両チームが木製バットを使用することによって、例えば木製バットが投手の球数に与える影響など、今後の参考になるようなデータが得られる可能性もある。
この2校による新たな試みが、少しずつでも高校野球と木製バットの関係性を変えていくきっかけになればと期待する。