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長友佑都は日本とトルコの代表選手!?
欧州CLでレアル、PSG戦への決意。
text by
本田千尋Chihiro Honda
photograph byAFLO
posted2019/09/23 11:50
まだ20歳というセネガル代表MFのクレピン・ディアタを抑え込む長友佑都。
次戦は10月1日のパリ・サンジェルマン戦。
ガラタサライの次戦、グループA第2節は、10月1日にホームで行われるPSG戦。
敵のエースFWネイマールは、3月に昨季のCL決勝トーナメント1回戦、マンチェスター・ユナイテッド戦の2ndレグを終えた後、SNSで審判を侮辱したことで3試合の出場停止処分を下されたため(9月17日、スポーツ仲裁裁判所が3試合から2試合に軽減)、イスタンブールでの試合には出場することができない。
だが、負傷離脱中のカバーニとムバッペは、間に合わせてくる可能性がある。仮に両選手がプレーできなくとも、初戦のレアル戦で2ゴールを決めたアンヘル・ディ・マリアや、インテル時代の同僚マウロ・イカルディなど、曲者は揃っている。いずれにせよ、日本を代表するサイドバックにとって、簡単な試合にはならないだろう。
しかし、だからこそ、長友は「ワクワクしている」のだ。
「強い相手が来れば来るほど、やっぱり燃えますよね。自分の力も試したいし、世界に自分の実力を知らしめたい気持ちがありますね、まだ。もちろんそこには年齢も関係ないですし、若い頃と変わらず、まだステップアップしたいっていう気持ちはあります。このハイレベルの戦いの中で、まだこう、どんどん成長していける。そう思っているからここにいますし、そういう感覚があるから、ワクワクしている自分がいるんですよね」
日本代表並のプレッシャーがある試合。
33歳になってなお、衰えを知らない向上心。長友の飽くなき闘争心は、未知の巨敵との対戦が、自らをフットボーラーとして別の次元へと連れて行ってくれることを願っているかのようだ。
そしてガラタサライの選手としてCLを戦うことには、日本代表の選手としてW杯を戦う時と変わらない「プレッシャー」があるのだという。
「W杯になったら日本を背負っての戦いになりますけど、ガラタサライだと、トルコ中を背負って、という感じのレベルですから。トルコは、サッカーに対してものすごい熱量がある国。日本のファンの日本代表に対する熱よりすごいものがあるので、W杯と比べてCLのプレッシャーや重圧は変わらないです。
皆さん、イスタンブールのホームゲームに来てもらったら分かりますよ。なかなか感じたことがない熱量を感じられると思いますよ」
トルコ人たちが、ヤン・ブレイデル・スタディオンの一角で醸し出していた異質な雰囲気。それはキリスト教国に、ほんの少しイスラム世界が混じったような程度だった。だが、ガラタサライの本拠地テレコム・アリーナに舞台を移せば、360度全てが、ヨーロッパとはまるで別の「ものすごい熱量」を持った異様な世界と化す。