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堂安律、PSVデビュー戦の手応えは?
オランダ代表揃いで「感覚が合う!」。
posted2019/09/19 12:10
text by
本田千尋Chihiro Honda
photograph by
Getty Images
“歴史”を作る。堂安律は、決意を滲ませた。
「どうしてもPSVでは、パク・チソン選手のイメージが強い。韓国のイメージが強いので、僕がここで何か新しい変化を加えたいと思います」
9月14日、秋の陽光が眩しいアイントホーフェン――。
日が落ちて忍び込んできた冷気を、フィリップス・スタディオンは、いともたやすく吹き飛ばした。
エールディビジ第6節。
PSVは、フィテッセに格の違いを見せつけた。
圧倒的にボールを保持して、20歳のドニエル・マレンが5発叩き込む。オランダ代表の新星FWのゴールラッシュに、伝統ある無骨なスタジアムは沸きに沸いた。
快勝劇のさなか、背番号25がピッチサイドに立ったのは79分のこと。スコアは3-0だった。マルク・ファンボメル監督は、元ポルトガル代表FWブルマに替えて、堂安を右サイドに送り出す。
21歳の日本代表MFが、ロマーリオ、ロナウド、ルート・ファン・ニステルローイ、アリエン・ロッベン、そして「パク・チソン」……数々の名選手を輩出してきたオランダの名門でデビューした瞬間だった。
「感覚が合う選手が多い」
10分ばかりの出場に終わり得点に絡むことこそなかったが、それでも堂安はポジティブな感覚を得たようだ。
「プレーしたのは10分だけでしたけど、その中で感じたのは、仕掛けても行けない時に近くに選手がいてくれるので、逃げの場所がある、ということですね。
フローニンゲンではそういった場面で周りに選手がいなくて、どこにもパスを出せないから仕方なく自分で行く、イチかバチかの仕掛けが多かった。博打のような仕掛けだったら、止めて、味方に出したほうがチャンスに繋がるな、と感じました。感覚が合う選手が多いですね」