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堂安律、PSVデビュー戦の手応えは?
オランダ代表揃いで「感覚が合う!」。
text by
本田千尋Chihiro Honda
photograph byGetty Images
posted2019/09/19 12:10
後半34分。元ポルトガル代表選手FWのブルマと交代する堂安律。右MFとしてプレーした。
現役オランダ代表が並ぶチーム。
PSVの先発陣には、9月6日の対ドイツ代表戦でデビューしたばかりのマレンだけでなく、スティーブ・ベルフワイン、デンゼル・ダンフリースと現役のオランダ代表が並ぶ。ダブルボランチでコンビを組んだパブロ・ロサリオとヨリト・ヘンドリクスも過去“オレンジ軍団”に招集されたことがある。
トップ下を務めたモハメド・イハッタレンは17歳だが、既にU-19オランダ代表でプレーしている。62分から途中出場し、2つのPKを獲得した左ウイングのコディ・ガクポは、U-21オランダ代表だ。
こうしたハイレベルな選手たちと、堂安は「感覚が合う」のだという。
「よりアタッカーとしての役割に専念できるチームだと思います。フローニンゲンではトップ下で出場したり、たまに空気を読むようなプレーもしていましたけど、PSVでは違う。楽しかったです」
「ここで逃げるようでは口だけの選手に」
PSVでは、過去2シーズンに渡り所属したFCフローニンゲンでプレーした頃のように、周囲に合わせて遠慮する必要はない。本職ではないトップ下で出場して、無理にチームを引っ張る役割を求められることもないだろう。
「アタッカーとして」持てる力を存分に発揮できる「環境」に身を置いたことに、堂安は、心から喜びを感じているようだった。
「すごくいい連係を構築できると思います。自分のクオリティーには間違いなく自信がある。個を極めながら周りの選手との関係を高めていくことができれば、すごくいい攻撃ができると思いますね。
これぞ自分が求めていた環境なので、ここで逃げるようでは口だけの選手になってしまうのでね。PSVで戦っていきながら、強い男になりたいと思います」
フローニンゲンでは、特に1年目、リーグ戦で9ゴール4アシストのインパクトを残して、名声を確立した堂安。このオランダ北部の商工業の街では、一個人としての評価に留まらず、日本人そのものに対するリスペクトも獲得した自負がある。
だが、翻ってアイントホーフェンでは、過去にPSVでプレーした日本人選手はいない。言わば、真っさらな状態からのスタートだ。
日本代表MFは、新天地でもフローニンゲンと同様に街の人たちから、日本人に対する尊敬や感嘆を引き出したいと考えているという。