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空手界のプリンスが武道館で優勝。
西村拳は東京五輪の金に突き進む。
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byAFLO
posted2019/09/15 08:00
整った容姿から「空手界のプリンス」の異名を持つ西村。ジェルとスプレーでがっちりホールドした髪型も話題に。
日本武道館という会場はやはり特別。
今回は、東京五輪の空手競技会場での開催という意味合いが一般的には強かったが、選手たちの間ではむしろ武道家の聖地での大会というムードが強いように見えた。
大会公式サイトによると、男女全12種目(五輪は8種目)の世界ランク1位選手と18年世界チャンピオンがエントリーし、参加選手は総勢約640人。日本の選手はもちろん、海外選手たちはこぞって「特別な場所」「武道館の試合は非常に興奮する」と語っていた。
その思いは西村も同じだった。
「日本武道館という舞台で勝つのは他の試合とは意味が違う。ファンの皆様、日本国民の皆様にも注目してもらって、西村拳をアピールできたと思います」
空手家としての品格を、謙虚さと強気の好バランスの上ににじませているのも西村の魅力だろう。
「最終目標は東京五輪の金メダルです」と言い、目を輝かすようにこう続けた。
「75kg級は競い合いが激しいですから、誰が来るかわかりません。でも自分の願いがかなうなら、アガイエフ選手と決勝をやりたいです」