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CLで最もゴールを奪ったアジア人、
ソン・フンミンの「ごめん」秘話。

posted2019/09/17 15:00

 
CLで最もゴールを奪ったアジア人、ソン・フンミンの「ごめん」秘話。<Number Web> photograph by Getty Images

昨シーズンのCL準優勝はソン・フンミン抜きではなし得なかった。今度こそトッテナムに栄冠をもたらせるか。

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井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

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Getty Images

 昨季のチャンピオンズリーグで準優勝したトッテナムのシーズン最優秀選手は誰か。

 世界中の公式サポーターズクラブが選んだのは、生え抜きのハリー・ケインでも、準決勝の大逆転劇の立役者ルーカス・モウラでもなく、印象的な活躍を継続的に披露したソン・フンミンだった。

 現在27歳の韓国代表は同じく公式サポーターたちの選ぶ、昨季のベストゴール賞も受賞している──昨年11月のチェルシー戦でハーフウェイライン付近から独走して決めた驚愕の一撃だ。

「めまぐるしいシーズンだったね」と新しい本拠地でのセレモニーでソンはにこやかに言った。

「このような賞(最優秀選手賞)は、チームメイト全員に与えられるべきものだと思う。いつも言っていることだけど、僕はこのシャツを着てプレーできることを心から誇りに思っている。僕は世界でもっとも幸せな男だね」

 きっとその言葉に偽りはない。チャンピオンズリーグで最も多くのゴールを決めたアジア人選手となり、名実ともに史上最高のアジア人アタッカーとなった彼は、誰とでも分け隔てなく接するナイスガイとして知られている。それはこの稿を書いている著者も肌で感じたことだ。

ミックスゾーンでの「ごめんなさい」。

 2年前の11月、ドルトムントの本拠地で行われたチャンピオンズリーグの一戦で、スパーズはソンの決勝点で逆転勝利を収めた。その試合を取材した僕は終了後、お隣の国のスーパースターに話を聞こうと思い、ミックスゾーンで彼を待った。

 もちろんそこには多くの韓国人記者がいて、チームで最後の方に現れたソンはまず、彼らの質問に答えていた。

 残念ながら韓国語を理解できない僕はその集団の外でタイミングを待ち、同胞たちとの会話を終えたソンに英語で話しかけた。

 すると彼は、「本当に申し訳ないけど、もうバスが出てしまうんだ。せっかく来てくれたのに、ごめんなさい」とこちらをまっすぐに見て言った。とてもすまなそうに。

【次ページ】 根底にある厳しい父の教え。

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