炎の一筆入魂BACK NUMBER
優勝が厳しいカープが目指すもの。
セ・リーグ全球団に勝率5割以上!
text by
前原淳Jun Maehara
photograph byKYODO
posted2019/09/02 20:00
8月27日の巨人戦に勝利し、タッチを交わすジョンソン(左端)ら広島ナイン。巨人には今季、勝ち越しが決まっている。
「凡事徹底」が必要。
リーグを独走した昨年までもチームに浸透していた凡事徹底が、追う立場にある今季の広島にも求められている。3連覇した過去を逃げ道とするのではなく、3連覇によって得たものを発揮すべきときだろう。
経験を重ねた昨季までのチームとは違い、今季は高卒1年目の小園海斗や同2年目の遠藤淳志など若手を積極的に起用している。安定性よりも積極性が求められる若手のミスをシーズン中なら許容できても、CSでは小さなミスが勝敗を左右する。それは3年続けてポストシーズンで涙を流した広島が一番分かっていることだろう。残り試合を戦いながら、短期決戦を見据えることも求められる。
ポストシーズンまで試行錯誤を。
3連覇の王者として、他球団の徹底マークにあいながらも、さまざまな問題やアクシデントを乗り越えてきた。ポストシーズンまでに試行錯誤した末の答えを出せるだろうか。
広島ナインはCS出場に向けて、口をそろえるように「勝って(日本シリーズに)出られるのであれば、勝って出たい」と言う。
過去は変えられないが、未来は変えられる。残された戦いで強さを証明し、日本シリーズへ──。広島の19年シーズンの戦いはまだ、終わってはいない。