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優勝が厳しいカープが目指すもの。
セ・リーグ全球団に勝率5割以上!

posted2019/09/02 20:00

 
優勝が厳しいカープが目指すもの。セ・リーグ全球団に勝率5割以上!<Number Web> photograph by KYODO

8月27日の巨人戦に勝利し、タッチを交わすジョンソン(左端)ら広島ナイン。巨人には今季、勝ち越しが決まっている。

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前原淳

前原淳Jun Maehara

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 2019年のセ・リーグペナントレースも最終盤を迎えた。王者広島は今年、勝ち続ける難しさを知った。5月に球団記録の月間20勝を挙げるも、大失速した6月から毎月負け越し。4年ぶりに首位の背中が遠のく無力さを味わった。まだ数字上は可能性を残しているとはいえ、4連覇は絶望的な状況にある。2位でのクライマックスシリーズ(以下CS)進出も厳しい状況となったが、周囲は次なる目標と捉えるだろう。

 頂点を目指し、戦ってきた者にとって下方修正された目標へのギアチェンジは容易な作業ではないだろう。

 ただ、その先には明確な目標がある。開幕前、緒方孝市監督をはじめとした首脳陣、そして広島ナインが口にしていた最大の目標は「日本一」だった。CSという制度があるため、たとえ3位に終わっても、日本シリーズに出場する権利はある。'10年の千葉ロッテのようにリーグ3位から日本一となることだって、ある。

首位巨人は広島への負け越しが決定。

 広島はセ・リーグを独走した'17年にCSでDeNAに敗れた過去も持つ。そうなると一部から「CS不要論」なるものも聞かれるが、今年の広島にはそんな雑音をシャットアウトする術がある。

 それはセ・リーグ全球団に勝率5割以上、だ。

 セ・リーグ6球団でまだカード負け越し決定が1つもない球団は広島だけだ。首位巨人はすでに広島戦の負け越しが決まっている。2位DeNAも阪神戦の負け越しが決まっている。広島は現在1つ負け越している阪神にも勝ち越すチャンスがあり、残り1試合を残すDeNAとは、この試合に勝てば勝率5割となる。

 個人的には2位でのCS出場よりも、意味ある目標設定のように感じる。

【次ページ】 逆転優勝が厳しくても泰然自若。

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緒方孝市

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