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二軍から復帰の戸柱恭孝。屈辱的な
状況を支えた家族と野球への思い。
 

text by

石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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photograph byKyodo News

posted2019/09/01 09:00

二軍から復帰の戸柱恭孝。屈辱的な状況を支えた家族と野球への思い。<Number Web> photograph by Kyodo News

8月29日のヤクルト戦で7回1死満塁のピンチを併殺で切り抜けベンチに戻る戸柱(左)とピッチャーの石田。

とにかくチームのために。

 苦しく屈辱的な状況にあったにも関わらず戸柱は利己的になるわけではなく、とにかくチームのことを第一に考えている。自分が勝利に貢献するためにはなにをすればいいのかと。

 昨年の秋、目線を下げることなく声をかけてくれた戸柱は、晴れて現在「プロ野球選手はそれがすべて。みんなが目指す場所」という一軍を舞台に戦っている。現状を突きつけられた厳しい時期、果たして自身を支えたものは何だったのか。

「僕はひとりではないし家族もいるので、そういうところで投げやりになっちゃ格好悪いじゃないですか。ただ一番は、僕は野球が好きだし、野球に嘘をついてはいけないということ。それがあったからこそ何とか心折れず頑張ってこられましたね」

 選手誰もが危機感のなかで戦っている。安閑とする日などただの一日もないが、そこには“愛”という支えが必要だ。

 打ちのめされ、それでも仁王立ちしつづけた戸柱の捲土重来――21年ぶりのリーグ優勝を目指すチームの貴重な戦力に必ずやなってくれることだろう。
 

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